@静養院断食療養所

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メールマガジン生駒山断食体験記
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【東京都・36歳・男性】

 「肝臓に脂肪が付きはじめてますね。それと、胃も少々荒れているようです。」

 これが6年ぶりの人間ドックでの医師から言われた言葉でした。
 胃のほうは恐らくストレスから来ているものだとのことでしたが、本人に自覚がありません。
 若い頃からの暴飲暴食で胃袋が鈍感になっている・・・こんな感じがしていました。

「肝脂肪の件も含めて、少し体重を減らす必要があります。」というのが結論でした。

 早速私は「断食道場」を探し始めました。
 私が「断食道場」なるものの存在を知ったのは中学校3年生のとき。
 当時の担任が 夏休みを利用して約1ヶ月の断食を行い、「子供の頃からの悩みだった」という肥満の体質を改善したことを目の当たりにしました。
 夏休み明けの新学期初日に 先生が「普通の体格」になって登校してきたのを見て、かなり驚きました。
 断食とはどういうものだったのかという体験談を興味深く聞いたのを覚えています。

 結婚当時(32歳)に74キロだった体重は、どんどん増え続け、36歳現在で84キロにまでなっていました。
 食事そのものは三食とも女房の手料理で和食中心ではあるのですが、今になって思えば、量 が多いこと、夕食が重いこと、間食をすること、そして運動を殆どしなくなったことから太るのも当然と言えるでしょう(ただ、体脂肪率は体重に比べて高いわけではなく、20%でした)。

 こういった背景から、日本全国にある断食道場のことを色々調べました。
 お寺などで所謂「行」として行っているところ、病院でやっているところ、砂風呂などとの併用でやっているところ、特殊な食事のノウハウを利用してやっているところなど様々な断食道場がありました。

 結果的に奈良の霊山である生駒山にあります「静養院断食療養所」でお世話になることにしました。
 ここを選んだ理由は以下のようなものです。

1.宗教色がないこと
2.特殊な食事がなく(水だけ)退所してから自分でも出来そうなこと
3.入所・退所日程を自由に決められること
4.日本で一番古い、歴史有る道場であること
5.一日の生活は全く束縛がなく自由であること
6.自宅(東京)から少し遠く、異郷を実感できること
7.料金が安いこと

 電話と電子メールを利用して、静養院断食療養所と連絡をとり、結果的には10日間お世話になることにしました。
 随分長いようですがこの程度の期間だと「断食を体験した」という分類になるのだそうで、「断食した」と言えるには25日以上の入所が基本だそうです。
 目的はもちろん「減量」。
 入所前に最新の血糖値などのデータをホームページの相談フォームから送信し、健康体であることを伝えておきました。

 入所日と退所日を含んで10日間の断食日程は以下のようなものでした。
 予備断食:入所日と2日目
 ・・・・・食事が徐々に減り、最後は「おもゆと梅干」
 本断食  :4日間
 ・・・・・水だけ(一日に2リットル)
  回復食 :3日間と退所日
 ・・・・・初日「おもゆと梅干」から「三分粥に一菜」「五分粥に二菜」「七分粥」と増える
 本当の「断食」を実施したのは僅かに4日間だったのです。

 体質改善などの目的で体中の老廃物を出すためには、やはり10日程度の本断食期間が必要とのことで、この場合入所日程も全部で25日になるのだそうです。

 先に目的である「減量」効果はどうだったかと言いますと、予備断食と本断食の合計6日間で毎日1キロずつ体重が減り、本断食最終日には6キロ減量 していました。
 その後の回復食で1キロ戻りましたので、結果的には5キロの減量に成功したことになります。
 この体重は、今日現在(通常の生活に戻って2週間目)でも変っておらず、一時的なものではないことを実感しています。
 女房から見た今回の断食の効用は、腰周りの肉がなくなりスッキリしたこと、顔が痩せたこと、そして何故か「鼾(いびき)をかかなくなったこと」だとのことでした。

 静養院断食療養所は断食道場を始めて80年とのことで、建物はかなり古く歴史を感じさせるところでした。
 基本的に四畳半の個室になっていて、各部屋の環境によって料金が多少異なります。
 私の部屋はAというグレード。
 リフォーム済みの室内に生駒市を眼下に見下ろす風景、テレビデオ付きという環境で1日8千円です。
 「断食」という目的のための部屋としては極めて快適でした。
 お風呂とお手洗いは共同。
 コイン利用の洗濯機と乾燥機も備わっています。

 一日の生活を時間を追ってみてみましょう。
  但し、全ての行事は強制ではなく、どちらかというと生活のリズムをつけるために用意されているという感じを受けました。  

  6:00 起床(館内放送で「春の海」が流れる)
  6:30 静座(般若心経の読経と静養院オリジナルの「静座の辞」。15分)
  7:00 朝食(各自の部屋に運ばれる)
  9:00 講話(館内放送で「食」「断食」というテーマの話。30分)
 11:00 昼食(各自の部屋に運ばれる)
 16:00 夕食(各自の部屋に運ばれる)
 18:00 静座(般若心経の読経と静養院オリジナルの「静座の辞」。15分)
 21:00 消灯

 本断食に入ると、上記の食事時間も無くなりますので、とにかく一日が暇で仕方ありません。
 断食による空腹はまったく苦痛ではありませんが、この暇さ加減には少々参りました。
 持っていった4冊の単行本と5冊の雑誌も最初の5日間で殆ど読んでしまいました。
 入所中に出来ることといえば、TVを観ることと読書、近所の宝山寺を中心とした散歩くらいのものなので工夫が必要です。
 私のお勧めは、晴れた日であれば静養院断食療養所の庭での読書です。
 この庭からは奈良盆地が一望出来、まさに絶景でした。
 この眺望を目の前にして、暖かい日差しと周囲の木々の匂いを感じながらの読書には何とも言えない至福感があります。

 このように日常の多忙な生活から離れ、暇に思えるほどゆっくりとした時間を過ごすことを静養院断食療養所では「心の断食」と呼んでいました。
 本来の目的は減量でしたが、断食を終了してみるとこの「心の断食」の効果 のほうが 大きいのではないかと思うようになっています。
 体だけではなく心も「爽快な軽さ」 を感じているようです。
 断食を終えてからとにかく「腰が軽く」動き回るようになりました。
 くり返しになりますが、断食中に暇以外の苦痛はありませんでした。
 本断食の初日あたりは、まだ胃袋が活動しているため空腹感がありますが、胃腸が完全にお休みに入ってしまうと空腹を感じなくなります。
 どうやらこの空腹を感じなくなった状態から体の内部で変化が起きてくるようです。
 人間の本来持っている自然治癒力が内臓のバランスや心のバランスを正常な状態へと戻そうとする・・そんな感じを強く受けました。
 正常なバランスに戻るとどうなるのでしょう。
 私の場合、心身の爽快感に伴って、以前にも増して食事がおいしいと感じるようになりました。
 鈍感になっていた胃腸の感覚が鋭くなったような気がしています。更に寝つきや寝覚めも良いようです。
 また断食したい・・・今度はもう少し長い期間かけた断食をやってみたいと思っています。

 最後に、静養院断食療養所への入所時に塗り箸を頂きましたが、その箸袋に書いて ある2つの言葉をご紹介します。

 「粗食菜食咀嚼主義」そして「腹八分目医者無用」

合掌。

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